【TED】Power of Vulnerability

TEDにアップロードされている講演なのですが、自分をダメだと思ったりこうあらねばならないと思っているよう人にはぜひとも観て欲しい講演です。まあ自信満々の人も観てほしいですけれども(笑。

日本語字幕もついていますし、20分ボーっとする時間がある人は流してみてください。

Brene Brownさんは、ソーシャルワークに関する研究をしています。このプレゼンテーションでは、「傷つく心の力」というタイトルで、研究者であるBrownさんの一風変わった視点から人間の関係性について話しています。

 このVulnerabilityという単語は、弱さや傷つきやすいといった意味があるのですが、タイトルを直訳すると、「傷つきやすさの力」とでもいいましょうか。「弱さの力」とも言えるかもしれません。

講演では「自分の脆さ」を受け入れることと、自己価値観の重要性について話しています。

さて、Brownさんが研究の過程で、インタビューをした際に、人を2グループにわけることができました。。片方は愛情と帰属の感覚を持っていてハッピーに生きているグループ、もう片方はそれに苦しんだり、自分はこれでいいんだろうかと悩んだりする人たちのグループ。

そしてその2つのグループの違いは、自分には価値があると信じているかどうかにあるようなのです。

そこで、彼女は自己価値観を持っている人たちを徹底的に分析してやろう!と決意するのですが、そこで得られた結論は彼女にとって意外なものでした。

・自己価値観を持つ人に共通することは?

自己価値観をもつ人たちが共通して持っていたものは、「勇気」でした。しかもそれは何かに立ち向かうという勇敢さではなく、不完全であってもよいという勇気だったのです。

ここで勇気を「courage」という言葉を使って話していますが、これはそもそもラテン語の語源において「自分をあるがままに話す」という意味だそうです。

言い得て妙というか、言葉の不思議さを感じますね。

Brownさんの説く勇気を持つ人は、自分への思いやりがあり、他人への思いやりをもっています。当然ですが、自分への思いやりが持てない人は、深い他者への思いやりをもてないものなのでしょう。

そして自分のあるがままであるために、「あるべき姿」を追求していませんでした。ブラウン氏は、こういった姿勢は人同士が深い関係性を持つためには絶対に必要なことなのだと言います。

そ れに加えてもう一つそういった人たちに共通していたものがありました。それは、自分の心の脆さ(Vulnerability)を受け入れているということ でした。自分の「弱さ」「脆さ」をそのまま受け入れるということは、現代社会で「こうあらねばならない」というプレッシャーのなかでは難しいものです。

しかしこういった人たちは、その自分の心の脆さこそが、自分たちを美しくすると信じていたのです。

その脆さが、快適なものでも苦しいものでもなく、必要なことなのだと考えているのです。

誰かに愛を告白することの思い切りや、保証がなくてもチャレンジして飛び込む勇気、うまくいくかわからないくても関係性に身を費やすこと。

この「脆くてもよい」という考えはブラウン氏には衝撃的というか、人間の弱さを克服してやろう!とこのテーマに飛びかかった彼女にとって、人生観を揺るがすようなことだったらしく、人生初体験のセラピスト通いになったそうです。一年ほどセラピストの元へ通って自分を立て直し、それから研究に戻ったのですが。

Brownさんは彼女自身の苦しみの体験から、

・なぜ私たちはこんなに苦しむのだろう?

・心の脆さに苦しんでいるのは私だけだろうか?

という疑問をテーマに据えてリサーチを再び開始し、そこで感情を麻痺させるという現代社会で多くの人が抱える問題に気づきます。

現在、アメリカは歴史上で最も借金漬けで太ってて依存症に苦しみ薬物治療に頼る社会になっています。

私たち人間は選択的に感情を麻痺させることはできません。直面したくない辛い感情を避けようと試みるとき、悲しいことや辛いことだけを麻痺させることができないので、私たちは同時に喜びや感謝や幸福感も麻痺させてしまうのです。

感情と麻痺させるために、様々なもので心を埋め合わせようとします。それは過食であったり、アルコールやドラッグ中毒といった様々な形を取ります。

また何らかの中毒にならなくても、麻痺させることはできます。

例えば何かの教義を狂信的なまでに信じるのは、不確実なことをさけ確実性を求めるからです。自分が正しくて人は間違っている。自分が不確実なことを信じているというのを受け入れたくないという心の現れでもあるのです。

こういった姿勢は、世の中のあらゆるところで見ることができます。自分或いは自分が属しているものが正しくて、そうじゃないものが間違っているという考えは、確実で安心できるものを求めている人にとって、正義という甘い罠なのです。

自分自身を心の底からさらけ出すこと、心の脆さをさらけだすこと。

感謝と喜びを表すこと、恐怖の時にも迷いの時にも。

そして心のもろさを感じることが生きていることであり、創造や喜びの源泉でもあること

最後に、Brownさんは、自分はよくやっていると信じ、その立場から物事を考え働きかけることで、周りに優しく親切に接し、何より自分自身に優しく親切になれるといいます。

高度に発達した先進国の社会では、「こうあらねばならない」「完璧でないといけない」「自分はダメだ」といったような自己否定が生まれやすい環境になっていると思います。特にアメリカやイギリス、ドイツや日本のような、キッチリ!としたものを求める文化の国ではこういった抑圧が強く多くの人が不安を感じたり神経症になったりする一因になっているのではないでしょうか。この講演を見ても、自己否定をしないようにどうすればいいのかという具体的な回答や方法論があるわけではないのですが、自己価値観をもつには自分の脆さを受け入れること大切だというメッセージに触れるだけでも新しい見方ができて良いのではないでしょうか。

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コメント

  1. エリ より:

    ロンドンでお仕事されていた時に何度かお見かけしたことがあり、偶然ブログを見つけて以来度々お邪魔しています。
    素晴らしい内容のビデオご紹介下さりありがとうございました。FBでシェアさせて頂き、サイトもブックマークしました。

  2. shinhomeo より:

    エリさん

    コメントありがとうございます。
    ロンドン時代の方からコメントいただけると嬉しいです。

    TEDは面白いサイトなので、他の動画も楽しんでください。
    ガツガツ更新してないブログですが(笑、たまに覗いてみてください〜。

  3. yukiko より:

    すごく面白かった…というより「安心出来た」という感覚に近いです。
    「こうあらねば」は、個人的には呪縛に近くて
    「こだわりの逸品」とか「俺の生きざま」って何なの?と思っていたのですが
    そうしないと生きていけない人の辛さを思うと胸がいたいですね。
    ダメな自分とかズルい自分の事を話すと、抱えている荷物をひとつ下ろして
    聞いてくれた人との関係性も密になるような気がして、好きです。