Natrum Murは塩のレメディーですが、よくあるテーブルソルトである純度の高い塩をポーテンタイズしたものです。海水塩からポーテンタイズされるNatrum Marinaというマイナーレメディーもあります。
これは最もホメオパシーで頻繁に使われるポリクレストレメディーのひとつで、特に日本人にマッチするトップレメディーのひとつだと私は思います。
物語のキャラクターにでてきそうな典型的なメンタル面での特徴があるのですが、そこは軽く押さえる程度にして、今回は急性症状に焦点をあわせて紹介したいと思います。
風邪の場合は、頭痛や鼻水が使われるメインの症状になります。
1.頭痛
Natrum Murタイプの頭痛は、頭を金槌で叩かれるような、あるいは頭が爆発しそうな感じがする強烈な頭痛です。偏頭痛に頻繁に使われますが、目の上のあたりに特に強い痛みを感じるケースはNatrum Murのケースです。
頭痛の最中は非常に敏感で、光や音に敏感になりますし、読み書きも悪化要因です。また太陽の光もダメなのが大事なキーですね。
頭痛があまりにヒドイ時は、痛みのあまり視野がぼやけるようなこともあります。
逆に暗い部屋に横たわっていたり、目のあたりを押してマッサージすると楽になります。寝起きに頭痛を感じることが多いのも特徴です。
Natrum Murはメンタル面で特徴的と先ほど書きましたが、感情的にショックをうけるようなことがあると頭痛に限らず症状が悪化する傾向があります。
2.鼻炎
Natrum Murタイプの鼻炎は、鼻をすするようなタイプのもので、色は白色で粘り気があることも水っぱなの時もあります。徐々に鼻水から鼻づまりになっていき、やがて完全に鼻が詰まった状態になります。
そこまでいくと嗅覚はもちろん味覚も完全にアウトです。
3.口内炎と口角炎
口内炎にも関係があるNatrum Murですが、主に唇の周りにできます。白っぽい小さい真珠のような見た目ならこのレメディーのタイプです。
そしてとてもとても重要なサインとして、下唇の真ん中が割れる口角炎になるのが特徴です。
4.その他
・Natrum Murは、塩から作られたレメディーなので、塩に症状が関係します。しょっぱいものを非常に食べたがるか、あるいは嫌がります。
そして空気中の塩分にも敏感なので、海の近くにいくと症状が改善あるいは悪化するケースもあります。
・とても喉が渇くレメディーで、冷たい飲み物をたくさん飲みたがります。
・朝の10時ぐらいに症状が悪化したり、調子がおかしくなります。
・暖かいと症状が悪化します。特に太陽を浴びて暖まると悪化する傾向があります。
5.悲しみと鬱
このレメディーの一番のキーポイントは、気分の落ち込みや悲しみに用いられるところです。何かショックな出来事があったあとに、それから立ち直れなくて心を閉ざしてしまっているようなタイプにマッチしていて、人に自分の感覚などを話すことができません。
こういう精神状態にある人が、上記にあるような症状を呈している場合、Natrum Murの劇的なインパクトをみることができるかもしれません。